「葬儀の仕事」と聞くと、悲しみや厳粛、辛い業務のイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、葬儀業界の仕事は葬儀を滞りなく終わらせるのが業務ではありません。亡くなった方やご遺族の心に寄り添い、深い悲しみを少しでも癒す手助けする役割も持っています。
本記事では葬儀社スタッフの心のこもった対応に、ご遺族が深く感動した5つのエピソードをご紹介します。
この記事を読んで、葬儀社の仕事へのイメージが変わるきっかけになれば幸いです。
葬儀関係者の対応や仕事にご遺族が感動したエピソードを5つご紹介します。
K.K様は実の父親のように慕っていたお義父様をコロナウイルスによる院内感染で亡くされました。
悲しみに暮れる中、複数の葬儀社に相談するも「コロナで逝去の場合は対応できません」と断られてしまいます。
そんな中、藁にもすがる思いで「やさしいお葬式」に連絡をしたところ、親身になって話を聞いてくれる葬儀社を紹介してもらいました。
紹介された葬儀社は、故人との思い出話も交えながら打ち合わせを進めてくれ、心温まる葬儀を執り行うことができました。
悲しみや不安の中でも、支えてくれる相談員や葬儀社スタッフの大切さを実感した心温まるエピソードです。
葬儀は単なる別れの儀式ではなく、亡くなった方の思い出を振り返る機会でもあります。
T.Y様のお母さまの葬儀では、生前好きだったコブクロの音楽を流し、北海道で撮影した思い出の写真を遺影に使用しました。
故人の「好き」を取り入れることで、悲しみの場が温かい追悼の時間へと変わります。「母の好きが詰まった葬儀ができた」というT.Y様の言葉からも、故人らしさを大切にした葬儀がご遺族の心の支えになることが分かります。
コロナ禍で入院していた祖母との面会を諦めていたS.H様。
病院からは「次に会えるのはご遺骨の状態です」と告げられ、戸惑いと悲しみに包まれていました。
そんな中、長男から勧められて「やさしいお葬式」に相談。
担当者の温かい言葉と迅速な対応により、エンディングルームで最期の面会が叶いました。
さらに葬儀社から折り紙で鶴や花を作り棺に入れるなど心温まる提案をしてもらい、後悔のないお別れができました。
コロナ禍でも、最期のお顔を見られ心のこもったお別れができた感動のエピソードです。
脚本家、小説家としても著名な一色さんが92歳で亡くなられたお父様の葬儀で、葬儀社から出棺を早めることを提案されたエピソードを投稿しました。
今夏の父の家族葬。葬儀屋さんがふいに、「出棺を10分早めませんか?」と。「お父様の描いた水彩画を見てると、海の絵が多い。焼き場に行く前に海に行きましょう」父の棺を乗せた車で、材木座海岸をドライブ。忘れられない時間になった。
— 一色伸幸 (@nobuyukiisshiki) October 7, 2019
このエピソードに「お父さんも喜んでくれたのではないでしょうか」「粋な心配りと観察眼、素晴らしいですね」など、多くの声が寄せられました。
また、一色さんはプロの仕事に感嘆した想いも綴られています。
葬儀屋さんに思い入れも興味もなかったんだけど、彼の「仕事」を見ていて、俺、葬儀屋になりたいって、ちょっと思った。周りにそういうふうに思わせるのが、本当のプロなんだと思う。
— 一色伸幸 (@nobuyukiisshiki) October 7, 2019
年末年始にご家族を亡くしたSANA様。
葬儀の準備中、母親が生前に「年を越したら数の子が食べたい」と話したことを葬儀社スタッフに伝えたところ、出棺の際に棺に数の子を入れてくれました。
故人の小さな願いを叶えようとする葬儀社の温かい心遣いに、SANA様は深く感動し、その時の様子をSNSに投稿。
「九州人の温かい心遣いに感動しました。一生忘れません」と綴りました。
この年末年始は家族に不幸があって九州で通夜告別式をしたんですが
— SANA (@SANA_0___0_) January 3, 2024
母がポロッと「年が越せたら数の子が食べたいと言っていた」と言ったのを覚えてくれていて、最後に棺に入れてあげてくださいと葬儀屋さんが数の子を買っておいてくれた
九州人の温かい心遣いに感動しました、一生忘れないと思います
葬儀社スタッフは、葬儀の司会進行を行うだけが業務ではありません。
亡くなった方を敬いご遺族の悲しみを少しでも和らげ、大切な方の死を受け入れ見送る準備を手助けする役割を担います。
そのため、ご遺族が故人と悔いなく穏やかにお別れができるように、あらゆるサポートを行います。
葬儀業界は人の「死」を扱う他業種と比べて特殊な業種ではありますが、同時に人生の最後に寄り添う意義のある仕事です。
葬儀社の業務は社会的にも意味があり、絶対に無くせない仕事です。
その一方で、「葬儀社の仕事はきつい」と思う方も少なくありません。「葬儀社の仕事が厳しい」と言われる3つの理由を紹介します。
葬儀はいつ起こるか予測できないため、葬儀社スタッフは昼夜問わず対応しなければいけません。
また、土日や祝日でも葬儀が行われるため、勤務時間も不規則になりがちです。
最近では働き方が見直され、残業時間の削減や業務を担当者ごとに分けて負担を軽減する分業制を取り入れる葬儀社も増えています。
(参考記事)葬儀業界の常識を変える「メモリアルむらもと」の挑戦!“働き方改革”で離職率減少&従業員満足度向上
長く働きやすい環境を整えている企業も多いため、無理なく続けられる職場を見つけることが可能です。
葬儀社の仕事は、ご遺体の搬送や棺の移動、祭壇の設営や撤去など、力仕事も多いです。特に斎場の規模が大きい場合は、長時間の肉体労働となることもあります。
ただ、すべてのスタッフが力仕事をするわけではなく、営業や葬儀プランナーなど専門性を活かした業務を分担できます。
実際に葬儀業界では女性スタッフも多く活躍しています。
また、重作業も機材やストレッチャーを使用して負担を軽減するなど、無理なく作業できる工夫もされているため、それほど不安に感じる必要はありません。
葬儀社スタッフは、深い悲しみの中にいるご遺族と向き合うため、精神的な負担を感じる方も少なくありません。
特に、ご遺族が大きなショックを受けていたり、幼い子どもや若い方の葬儀に立ち会う際は、感情を揺さぶられることもあるでしょう。
また、葬儀は一度しかないやり直しがきかない場ですので、気を張る場面も多く精神的な負担に感じる方もいます。
それでも、葬儀は社会になくてはならない大切な儀式です。
葬儀を無事に終えた後の達成感やご遺族からの感謝の言葉が、心の支えになることも多いでしょう。
葬儀社の仕事は決して楽な業務ではありません。
しかし、その分、ほかの仕事では味わえない深い感謝や感動に触れられる瞬間も多いです。
葬儀社スタッフがやりがいを感じる代表的な瞬間を紹介します。
・感謝の言葉をいただけたとき
・ご遺族の悲しみを和らげる手伝いができたとき
・ご族の想いを形にした葬儀を実現できたとき
・故人さまを無事見送れたとき
葬儀社の仕事は、故人の最期の時に寄り添い、ご遺族の心に深く残る時間を作り出す仕事です。だからこそ、大きなやりがいを感じることにもつながるでしょう。
葬儀屋として嬉しい事
— いおり@業界の常識に捉われない葬儀屋 (@kenta4583) September 7, 2023
喪主様がご家族以外の参列者から
今日の葬儀良かった。どこの葬儀屋さんに頼んだの?
と言われたことを耳にする事
多分喪主様も悪い気持ちはしないと思う
こういう感動の連鎖が口コミを生むのかもしれない
次回もそうなるよう精進します!#おは戦50908sk
昨年の夏前から対応をさせて頂いたご家族様の対応が終わり、まねきねこのお菓子を頂きました
— 冨安 達也 (葬儀終活アドバイザー情報発信) (@tatsuyatomiyasu) January 28, 2025
ご相談者様より「冨安さんが担当で良かった」と暖かいお言葉を頂き、葬儀担当者時代を思い出しました
葬儀担当者や葬儀社の管理職とはまた違うやりがいがこの仕事にはあります#mijika pic.twitter.com/YJMumMdG3Y
【葬儀の仕事】
— 採用担当せいや|創業111年葬儀社 (@seiya_nagataya) March 19, 2024
葬儀の仕事を選んで良かったと思う瞬間は、『鈴木さんと出会えて本当に良かった』とお客様に心から感謝されること』です。
葬儀という専門知識を通じて、人生で最も困っている人に貢献できる仕事だからこそ、『ありがとう』の言葉が集まりやりがいを感じることが出来ます(^^)
葬儀社の仕事は、ご遺族の亡くなった方への想いを丁寧に汲み取り、穏やかな気持ちで見送っていただけるようにサポートする役割を持ちます。
この記事でご紹介した5つのエピソードからも分かるように、葬儀社スタッフの細やかな配慮や温かい心遣いが、ご遺族の悲しみを和らげる手助けになります。
確かに葬儀社の業務は、不規則な勤務時間や肉体・精神的な負担が伴うことも多いです。
それでも、ご遺族の「ありがとう」という言葉や、故人を無事に送り出せた達成感は、何物にも代えがたい大きなやりがいになるでしょう。
葬儀は人生の最期となる大切な別れの場です。
もし、誰かの心に寄り添い、人生の節目を支えたいと考えているなら、葬儀社の仕事はきっと大きなやりがいを感じられる場になるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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