「仏事コーディネーターの仕事内容は?」
「就職や転職で有利になる?」
「試験を受けるための条件は?」
核家族化や地域との繋がりが薄くなった現代、仏事に関する知識や経験が少なくどのように亡くなった方を供養して良いか不安や悩みを抱える方も増えています。
仏事コーディネーターは、困っている人たちに適切なアドバイスを行い、悩みを解消してくれる仏事の専門家です。
誰でもなれる職業ではなく、受験資格には宗教用具を取り扱っている店舗で働いている必要があります。
そのため、すでに仏壇や仏具業界で働いている方にとっては、キャリアアップも目指せる資格です。
本記事では、仏事コーディネーターの役割や仕事内容、資格取得の方法や活躍できる場所、将来性や求人情報についてもくわしくご紹介いたします。
仏事コーディネーターの資格に興味のある方、取得する価値があるか迷っている方はぜひ最後までお読みください。
仏事コーディネーターとは、仏教と仏壇仏具と関連する仏事に対して深い知識を持つ資格者のことです。
核家族化が進み地域社会との繋がりが希薄な現代、仏事の正しい知識がなく仏壇や供養の方法について悩む方が増えています。仏事コーディネーターは仏事の専門家としてさまざまなアドバイスを提供してくれる大変心強い存在です。
仏事コーディネーター資格審査協会が認定している民間資格で、2004年から始まりました。資格取得には、仏具など宗教用具を取り扱っている店舗の経営者もしくは従業員であることが条件です。
仏事コーディネーターの役割は、仏事や仏具の悩みや不安を抱えている方をサポートすることです。
具体的には、下記のような相談や商品を選ぶ際のアドバイスなどを行います。
・仏壇や仏具の選び方
・仏壇や仏具の正しい置き方や供養の仕方
・お坊さんとのお付き合いの方法
・宗派や地域の風習についての知識
・法事や法要の準備やマナー
仏壇や仏具の選び方や置き方は、宗派や地域によって異なりますし、初めての葬儀や法事でのお坊さんへの依頼方法や作法などに不安を感じている方も少なくありません。
仏事コーディネーターは、そのような方達に多方面から適切なアドバイスを行い、安心して故人の供養が行えるように支援します。
仏事コーディネーターの資格が活かせるのは、主に仏壇や仏具の販売店です。
そもそも仏事コーディネーターは、仏具など宗教用具を取り扱っているお店で就労していないと受験資格がありません。そのため、資格取得される方も仏壇や仏具の販売店で働いている方が多いです。
お客様に商品を薦める際に、仏事コーディネーターの試験で得た知識をお伝えすることで、より説得力のある説明ができるようになるでしょう。
その他の活躍場所として、仏事と縁の深い葬儀社でも故人の供養の仕方や仏壇の購入について適切なアドバイスをすることで、お客様からの信頼を得るのに役立てることができるでしょう。
仏事コーディネーターの資格取得には、年に一回行われる講習と試験の二つを受ける必要があります。
受験の申請は、仏事コーディネーター資格審査協会へ申請書を公式HPもしくはFAXで請求。講習料と受験料を振込後に申請書に必要事項を記入し、返信用封筒で協会へ送付します。
協会より送られて来る受験票を当日に持参し講習と試験を受けます。受験票の再交付はしていないため、紛失には十分気を付けましょう。
試験に合格すると、認定証とIDカードが交付されます。資格の有効期限は5年で、経過すると更新手続きを行わなければいけません。
試験概要 | |
試験内容 | 1.仏教の基礎知識:日本仏教の歴史や宗派に関する基本的知識を有していること2.仏事(慶弔)に関する知識:仏事に関わる情報の基本、情報の収集や活用に関する知識を有していること3.仏壇仏具の製品知識:仏壇仏具に関する製品知識、商品評価に関する知識を有していること4.仏壇仏具の販売知識:仏壇仏具の販売の基本、販売事務に関する知識を有していること。また販売技術に関する知識を有し、接客技術、顧客管理等についての能力があること5.関連する法令の知識:仏壇公正競争規約等に関連する法令の知識を有していること6.仏事コーディネーターの使命と心構え:仏事コーディネーターの役割と使命を十分に認識していること※1~5は〇×の選択式 |
講習・試験時間 | 5時間 |
受験資格 | ・宗教用具を取り扱っている店舗の経営者もしくは従業員であること(パート、アルバイト、非常勤の従業者も含む)・全日本宗教用具協同組合の組合員と従業者 |
講習料・受験料(税込) | 35,000円 |
情報引用元:https://www.butsuji-coordinator.com/gaiyou.html
仏事コーディネーターの取得には、講習と受験料の他に講習に必要なテキストも購入する必要があります。
最新(※2025年1月現在)のテキストは「仏壇仏具ガイダンス ver.6.0」で、定価は16,500円(税込)です。
テキストの内容は、仏事コーディネーターの役割や仏教・仏事・仏壇・仏具の知識から法律や仏具の販売についてまで、幅広い範囲で記載されています。
全日本宗教用具協同組合のページから申し込みが可能です。
仏事コーディネーターの資格試験の合格率は公表されていませんが、講習と試験がセットになった試験は合格率が80%を切らないことがほとんどです。
たとえば、同じく講習後に試験を受ける終活カウンセラーの資格は90%ですので、仏事コーディネーターの試験も同じく合格率は高いと予想できます。
ただし、仏事コーディネーターの受験資格は、宗教用具を取り扱っている店舗で就労していることが条件です。そのため、現在まったく別の職種で働いている方が受験するのは、かなり難易度が高いと言えるでしょう。
また、試験では「〇〇の宗祖は誰か?」「写真の位牌の名称は?」など、かなり専門的な問題が出題されます。そのため、予習なしの合格はかなり厳しいでしょう。
どのような問題が出題されるかは、全日本宗教用具協同組合から確認できます。過去8年分の試験問題が閲覧可能です。
仏事コーディネーターは、ほとんどの場合で仏壇店で就労しているため、仏壇業界での年収が仏事コーディネーターの年収となります。
大手仏壇店で働いた場合、アルバイト・パートでは時給1,050円~ほど。正社員で働いた場合は、20〜30万円ほどですので、年収は300〜500万円が目安となります。
会社によっては資格手当を出しているケースも多いため、年収アップを目指すのであれば仏事コーディネーターの資格を目指すのもキャリアアップに繋がるでしょう。
仏事コーディネーターとしてのみ就労する場合、将来性はあまり高いとは言えません。
日本の歴史と文化の象徴でもある仏事の正しい知識を持つ仏事コーディネータは、大変重要な役割を持つ貴重な存在です。
しかし現在、核家族化と供養の多様化によって仏壇や仏具を持たない過程も増えてきています。
仏壇を持つ家庭の割合は4割以下というアンケート結果もあるほどです。(情報参考元:https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1307/10/news101.html)
そのため、仏事コーディネーターの資格だけでなく、葬儀を執り行う「葬祭ディレクター」や、お墓建立の相談に乗る「お墓ディレクター」など、仏事に関連する資格取得も検討しておくと良いでしょう。
仏事コーディネーターの資格を活かして就職や転職を有利にすることもできます。
たとえば、アルバイトやパートで仏壇店で働いていれば、受験資格は満たしているので、仏事コーディネーターの資格を取ることが可能です。取得後、資格をアピールして正社員を目指すこともできるでしょう。
また、仏壇店以外の会社に応募する際も、仏事に詳しいことをアピールし転職を有利にすることもできます。
仏事の知識は仏壇店以外にも、お寺や葬儀社、石材店などでも重宝されるでしょう。実際、求人サイトを見ると「仏事関連経験者」「仏事・弔辞に詳しい方」などの募集が多くみられます。
本記事では仏事コーディネータ資格試験についてご紹介いたしました。
仏事コーディネーターは、仏壇や仏具に関する深い知識を持った専門家です。お客様へ適切なアドバイスを行うことで、信頼度を高め営業利益にも貢献します。
仏事コーディネーターの受験資格には、宗教用具を取り扱っている店舗での勤務経験が必要です。そのため現在、違う職種で働いている場合は、パートやアルバイトでも良いので仏壇店などで働く必要があります。
試験は年に1回で、申し込みは仏事コーディネーター資格審査協会のHPから申し込み、講習と試験の二つを受講します。合格後は認定証とIDカードが交付されますが、5年ごとに更新が必要です。
主に仏壇や仏具を取り扱う販売店での活躍が期待できますが、他にも仏具と関連のある葬儀社や石材店でも重宝される資格になります。
仏事コーディネーターが活躍できる葬儀業界に興味・関心のある方は、葬儀業界専門の転職・求人・人材紹介サービスの「スマート葬儀ジョブ」で仏事コーディネーターの求人をチェックしてみてください。
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