「葬儀業界に興味はあるけれど、自分に向いているか分からない」
「ご遺族に失礼のない対応をできるか自信がない」
そんな不安を感じられる方もたくさんいらっしゃいます。
葬儀は故人との最後のお別れとなる大切な場です。特に葬儀業界で働くのが初めての方にとっては、具体的にどんな姿勢が求められるか分かりづらく、不安になるのも当然です。
そこで、この記事では葬儀業界で働く際に知っておきたい5つの心構えと実際に葬儀業界の現場で働く方たちの実体験をご紹介します。
葬儀場で働く”プロ”の心構えを知ることで、自信を持って迷いなく葬儀業界で働けるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
葬儀業界で働く上で必要となる5つの心構えをご紹介いたします。
特に大切なのは、最初の2つです。故人への敬意を忘れず、ご遺族の気持ちに寄り添う心構えは葬儀業界で働くための大切な土台になるでしょう。
葬儀業界では、何よりもご遺族の気持ちに寄り添うことが求められます。
親しい方を亡くしたご遺族は、深い悲しみの中にいらっしゃいます。そのため、マニュアル通りの対応ではなく、お一人ひとりに真剣に向き合わなければいけません。
亡くなった方との思い出や葬儀の希望を丁寧にヒアリングし、人となりやご遺族の想いを尊重した、心に残る葬儀を提案することが大切です。
ご遺族の気持ちに真摯に寄り添うことで信頼関係が生まれ、安心して葬儀を任せていただけるようになります。
昨日今日と親族の葬儀。わんぱく盛りの2歳児と葬儀の相性はかなり良くないが、何となくムスコに「ひい婆との別れ」を感じてもらい、参列者の人たちに少しばかりの和み提供できたのは良かったかと。
— きんきん (@kinkin2000) August 11, 2023
ロビーから電車を眺められるようカーテンを空けておいてくれた葬儀場のスタッフの方の配慮に感謝 pic.twitter.com/VdV430Kb8v
【母のこと】
— ずみこ (@zumiko_happysad) April 1, 2023
葬儀でやってよかったことの1つがアルバムの展示。来てくれた方にも喜んでもらえたと思う。
提案してくれたスタッフさんに感謝。 pic.twitter.com/JoH5GsVaKy
葬儀はご遺族にとって故人を送り出す、最後の大切な時間です。
もし、葬儀スタッフの態度が粗雑であれば、ご遺族の心に深い傷を残すことになりかねません。
ご遺体の搬送や納棺を丁寧に扱うのはもちろん、葬儀の準備や進行中も言葉遣いや動作には十分気を配りましょう。
たとえば、お呼びするお名前にもご遺族への配慮が必要です。「ご遺体」や「故人様」という表現ではなく「お母様」や「○○様」など、名前や続柄で呼ぶことで、ご遺族の心に寄り添えます。
故人への敬意を忘れないことで、ご遺族も安心してスタッフにお任せし心穏やかに故人を見送ることができるでしょう。
昨日父の葬儀を終えました
— まりあ (@Casablanca20237) February 25, 2025
葬儀屋さんがとてもいいスタッフさんで
父が好きだった山歩き スタッフさんが山菜やきのこを天ぷら作ってくれて添えてくださったり
父の実家の会津のお酒を添えてくれたり
お心遣いが素晴らしい
葬儀に関わって下さった皆様に感謝です pic.twitter.com/4xTyqhBso1
エジプト好きの父のお葬式。
— 露の団姫 (@2yu0) January 17, 2022
葬儀会館に到着したら、サプライズで祭壇がピラミッドになっていました
会館スタッフさんのお心遣いとプロの技に感動
おかげさまで父らしい旅立ちができました
一生忘れません pic.twitter.com/Qm5R7oQPN3
葬儀の現場では、予期せぬ事態や複雑な状況に直面することがあるため、冷静な判断力と対応力が求められます。
突然、身内や親しい方が亡くなったご遺族は、悲しみや戸惑いで混乱され冷静でいられない方も多いです。
万が一予期せぬトラブルが発生した際も慌てず、冷静に状況を把握し適切な対応を行うことで、ご遺族の不安を軽減できます。
また、他のスタッフと連携しながら、円滑に葬儀が進むように対応することも重要です。
そういや昨日通夜の為実家行ったら身内同士の怒鳴り合いの喧嘩中でワイご帰宅というのを経験しやした。笑
—さんさん(@kaorisoba) July 21, 2020
葬儀関係の方が黙々と仕事してる中取っ組み合いの喧嘩始まってさすがに仲裁に入ったけど、葬儀の方たちは猛者だぁね。
「私たちは居ないものとして見てください」
だって
すごいなぁ。
葬儀業界では「接客」ではなく、もう一段階上の「接遇」が重視されます。
接遇とは、「接客」に加えお一人ひとりの状況や心情に適した最適なサービスを提供することです。
厳粛な雰囲気の中で行われる葬儀の現場では、礼儀やマナーを身につけることが必要不可欠です。
身だしなみや言葉遣いに気を配り、ご遺族や参列者への配慮を忘れないようにします。
たとえば、スタッフ同士の雑談も、ご遺族にとっては「軽く扱われている」と感じられてしまいます。
適切な接遇マナーを厳守することで、ご遺族や参列者に敬意を示し、信頼してもらえる存在になれます。
葬儀業界で長く働くためには、自分自身の健康管理も大切な心構えです。
葬儀業界は、夜勤や体力を使うことが多く、精神的にも負担の大きい仕事です。十分な睡眠や休息をとり、できるだけストレスを溜めないように工夫しましょう。
自分自身の健康を守ることは、ご遺族により良い葬儀を提供することにつながります。
また、葬儀会社によって残業が多い、人手不足など労働環境に大きな差があります。就職や転職を考える際は、勤務時間や休日の取りやすさ、福利厚生なども十分に確認することが大切です。
無理なく働ける環境を選ぶことで、心身の負担を減らし、長く安定して活躍できるでしょう。
【気持ちの切り替え】
— 木村光希 【納棺師】おくりびと (@okuribitokouki) July 27, 2019
納棺師さんや葬儀社で働く方々はどうやって気持ちの切り替えをしているんですか?
っていう質問を結構たくさんいただく。
どの仕事もそうだと思うけど
1つの仕事の区切りがついた後の自分の精神のコントロールって次の仕事のクオリティに直結する為、すごく大事
葬儀業界の現場で役立つ資格5選をご紹介いたします。
葬儀業界が未経験でも取得可能な資格です。葬儀業界での就職や転職をお考えの方は、ぜひご参考ください。
葬儀業界で働くうえで、普通自動車免許は必須レベルの資格です。
葬儀社の業務では、ご遺体の搬送や霊柩車の運転、供物や祭壇の運搬、死亡届の市役所への提出など、車を使用する場面が多いためです。
特に地方の葬儀社では必要なケースが多いため、可能な限り取得した方が就職・転職で有利になるでしょう。
取得するには、自動車学校で学科・技能講習を受け、運転試験に合格すれば取得できます。合格率も80%前後ですので、難易度はそれほど高くありません。
AT限定でも問題ない場合が多いですが、葬儀社によってはマニュアル車(MT)対応が求められるため、事前に確認しておきましょう。
グリーフケアアドバイザーは、ご遺族の悲しみに寄り添うために役立つ資格です。
葬儀の現場では、ご遺族が深い喪失感や悲嘆に直面することが多く、適切な言葉や対応が求められます。
グリーフケアアドバイザーの資格を取得することで、ご遺族の気持ちを理解し、適切なサポートを行う知識とスキルを身につけられます。
葬儀の仕事は精神的に負担がかかる場面が多いため、グリーフケアの知識を身につけることで、ご自身の心を守るためのスキルとしても活用できるでしょう。
終活カウンセラーは、生前相談や葬儀後のアフターサポートに活かせる資格です。2級であれば、未経験でも受験可能です。
相続やお墓、医療の知識を活用し、ご遺族の負担を軽減する提案ができるようになるため、葬儀後の相続手続きや供養の相談など、幅広いアフターサービスに応えられます。
終活カウンセラーは、ご遺族の負担を軽減し、葬儀業界での対応力を高める資格として、非常に役立ちます。
葬儀業界で長く活躍したい方は、取得を検討してみると良いでしょう。
葬送儀礼マナー検定は、葬儀に関する知識とマナーを総合的に学べる検定です。
現代の多様化する葬送の形に対応するため、基本的な知識から応用までをしっかりと習得できます。
検定はWEB上で実施されるため、場所や時間に縛られずに受検可能です。申し込み後に送付されるテキストで学習し、準備が整い次第、ご自身のペースで試験に臨めます。
試験では、葬儀の流れやマナー、弔事の服装、香典や弔電の作法など、幅広い知識が問われます。合格することで、葬儀に関する一定水準の知識を有することを証明でき、葬儀業界で信頼性を高めることにつながるでしょう。
葬儀はご遺族の心の整理をつけるための大切な場です。そのため、葬儀業界では人の気持ちを理解し、適切に対応できる以下のようなスキルや姿勢が求められます。
葬儀業界では、ご遺族や僧侶、会葬者など、多くの人と接する機会があります。相手の気持ちを汲み取り、適切な言葉や態度で対応できる力が求められます。
特にご遺族との打ち合わせでは、難しい専門用語を使わず分かりやすく説明し、安心して理解してもらう姿勢が大切です。
また、葬儀の進行中も他のスタッフや僧侶など宗教者と連携を取りながらスムーズに対応する必要があります。
【向いている人の特徴】
高いコミュニケーション能力を持つ方であれば、たとえ他業種から転職してきた場合でも、活躍できるでしょう。
葬儀業界は、体力と精神力の両方が求められる仕事です。人の死は予測不可能なため24時間対応が必要な場面も多く、深夜や早朝にも業務が発生します。そのため、不規則な生活リズムに適応できる柔軟性が求められます。
ご遺体の搬送や祭壇の設営など、力仕事が発生する場面も多いため、一定の体力も必要です。また、ご遺族の悲しみに寄り添いながらも、冷静に業務を進める精神的な強さも重要になります。
【向いている人の特徴】
葬儀業界は性質上、負担やデリケートな場面も多いですが、心から感謝の気持ちを伝えてもらえる、やりがいのある仕事です。体力・精神面共に強い方であれば自信をもって働けるでしょう。
葬儀は、ご遺族にとって人生の大きな節目となる大切な儀式です。そのため、誠実な姿勢でご遺族と向き合い、細やかな気配りができる方が信頼されます。
また、葬儀の進行には多くの決まりやマナーがあるため、素直に学ぶ姿勢や指導をしっかり受け入れられる方の方が成長しやすいです。
【向いている人の特徴】
誠実で素直な方であればご遺族だけでなく、同僚や上司、宗教者などからも信頼を築いて働き続けられます。
葬儀社に転職して、まもなく一月になります。いわゆる試用期間という立場でありますが、仕事にも少しずつ慣れてきました。
— 佐藤伸広 (@nobuhirosato115) September 19, 2023
この業界は技術系、営業系、エンタメ系などの複合型なので覚える事も沢山あります。
誰にとっても必要な「やりがい」囲まれ、幸せな日々です。 pic.twitter.com/sKXOADKmiM
最後に、実際に葬儀業界で活躍されている方たちの心構えや、やりがいについてのお声を紹介いたします。
葬儀業界では、誠実で素直な姿勢を持つ人が活躍しやすいといわれています。ご遺族や関係者と対話する機会が多いため、コミュニケーションスキルが高い方は、長く業界で活躍できるでしょう。
また、葬儀業界で働く最大のやりがいは、ご遺族に寄り添い支えになれることです。
ご遺族が手を握りしめ、泣きながら「ありがとうございます」と感謝される。そんな仕事はなかなか無いのではないでしょうか。ご遺族からの感謝の言葉が大きなモチベーションややりがいにつながる仕事です。
(葬祭ディレクター:篠原憲文氏)
⇒現役葬祭ディレクターとして活躍されている篠原社長へのインタビュー全文はこちら
【葬儀の仕事】
— 採用担当せいや|創業111年葬儀社 (@seiya_nagataya) March 19, 2024
葬儀の仕事を選んで良かったと思う瞬間は、『鈴木さんと出会えて本当に良かった』とお客様に心から感謝されること』です。
葬儀という専門知識を通じて、人生で最も困っている人に貢献できる仕事だからこそ、『ありがとう』の言葉が集まりやりがいを感じることが出来ます(^^)
僕が葬儀会社立ち上げた時の話
— NUA (@RT16106956) November 20, 2020
知識も経験も殆ど無い状態で独立してお客さんの為に何が出来るか考えて行動してとても感謝された。泣かれて握手されるくらい。
数年後慣れてくると経験も知識もあるはずなのに感謝度合いが減ってきた。
一番大切なのは知識や経験じゃなくて気持ちなんだなと思っいます。
葬儀業界で働くうえで最も大切なのは、故人への敬意とご遺族の心情に寄り添う姿勢です。ご遺族との信頼関係を築き、丁寧な言葉遣いやマナーを守ることで、安心して葬儀を任せてもらえる存在になれます。
葬儀の現場では、冷静な判断力と対応力、そして失礼のない接遇マナーも求められます。予期せぬ事態にも冷静に対応し、ご遺族や参列者への細やかな配慮を忘れないことが重要です。
また、ついおろそかにしがちな自身の健康管理に気を配ることも、長く葬儀業界で働くための大切な心構えです。
葬儀業界に向いているのは、コミュニケーション能力が高く、体力・精神面が強く、誠実で素直な性格の人です。
ご遺族の気持ちに寄り添い、故人を敬い、心のこもった葬儀を執り行う。それが、葬儀業界で働く上で最も大切な心構えと言えるでしょう。
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